研究センターの研究成果として、2020年3月に書籍を出版しました。
概要
本書では、中小企業が持続的な経営を実現していくための経営実践の視点として、100年経営、社会的経営、SGDs経営の3つの視点を提唱している。100年経営は、100年以上にわたって存在し続けてきたという事実から、その要因メカニズムを解明しようとするものである。また社会的経営は、CSRやCSVのように、社会のニーズに対応したかたちでの社会的課題の解決を目指した取組をつうじた、社会的価値の創造をともなう経営に加えて、そもそも社会的課題を生まないような社会にするための社会とかかわる経営を意味する。3つめがSDGs経営である。SDGsは近年、企業と社会とのかかわりをより具体的な内容で示した企業の新しい実践として着目されている。これら3つの視点が、中小企業にとって、持続的な経営を実現していくための多くの示唆をもたらす。
章構成
第1章 中小企業の持続可能な経営―新時代における中小企業経営の3つの視角―(関智宏)
第2章 100年経営と日本企業―新しい過去から学び未来を創造する―(藤村雄志)
第3章 ファミリービジネスと持続可能な経営―生田産機工業の事例を中心に―(竇少杰)
第4章 中小企業の社会的経営の実践―京都市内の「社会的」中小企業をケースとして―(木下和紗・関智宏)
第5章 中小企業とSDGs―中小企業家同友会の取組みを中心として―(藤岡資正)
第6章 ESG投資の特質と意義―中小企業へ及ぼす影響―(足立光生)
第7章 タイ国におけるSDGsと中小企業振興―SDGsに向けた指標の作成とSME報告書の策定―(Suwanchai Lohawatanakul)