藤本 昌代(FUJIMOTO, Masayo)

研究分野:仕事の社会学 社会学研究法 集団組織研究 産業・労働社会学 職業社会学

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同志社大学社会学部教授 博士(社会学)

       

仕事に関わる場で人と社会の関係に焦点を当てて研究をしています。特に科学技術系の専門職と組織の関係、彼らを取り巻く制度、社会構造、職業連関、モビリティなどを調査しています。国内では長年、科学技術系の研究部門をもつ組織調査を行っており、国際比較では米国とフランスで調査しています。米国・シリコンバレーは転職が多い地域として専門職でさえ転職しづらい日本との比較、フランスは政府の影響が強い社会として日本との共通点を科学技術系の制度、組織、専門職の動向を比較しています。これらの研究は、現在、「働き方と科学技術研究センター」の研究員と共に行っています。

 2019年度は著書では、1つめに『欧州の教育・雇用制度と若者のキャリア形成 :国境を越えた人材流動化と国際化への指針』白桃書房において、社会学、経済学、政治学の観点から、5人の共同研究者と共にドイツ、スイス、フランスでの調査(イギリスもデータ比較において含まれる)および収集した情報をもとに、現代ヨーロッパにおける教育制度、雇用制度および高等教育を受けた若者のキャリア, そしてそこに横たわる問題をまとめました。2つめに『テキスト 経営人類学』東方出版 で長年日本型雇用慣行の組織に勤めた人々の退職後について分筆しました。同じく経営人類学の著作でCultural Translation of Management Philosophy in Asian Companies Its Emergence, Transmission, and Diffusion in the Global Era,Springer, で日本の企業における組織内の制度的要素について分筆しました。論文では「行政改革直後の公的研究機関のアノミーから安定期への通時的分析―10年後の成員の態度変容」『年報 科学・技術・社会』, 28: 3-22,(2019)で、行政改革直後とその10年後の定点観測をした研究がジャーナルに掲載されました。その他、「日本の産業社会学における戦後から現代に至るホワイトカラー研究経緯」や専門職のゆくえについてなど3本まとめています。
 2020年度は、コロナ禍の組織状況を記録し、速報を当事者のみなさまにフィードバックすることを目的に調査と報告書の執筆に没頭しました。4月に全国の大企業を中心に行った調査および報告書3篇(共著)、5月に京都市の中小企業に行った調査および報告書2編(単著)、第1波後、緊急事態宣言解除2カ月の7月に12社の中小企業の経営者の方々へのインタビュー調査を学生と共に行い、10月から内閣府のコロナ禍での国民調査のデータの使用許諾を得て、学生と二次分析し、それを年度末の「社会調査実習報告書」と『同志社社会学研究』に論文としてまとめました。

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研究業績等

(1)『欧州の教育・雇用制度と若者のキャリア形成 :国境を越えた人材流動化と国際化への指針』白桃書房(2019)藤本昌代・山内麻理・野田文香編著(その他の執筆者 ヤング吉原麻里子・松村菜摘(☆2020年度 一般社団法人 大学教育学会 JACUEセレクション2020に選出)
(2)『産業集積地の継続と革新-京都伏見酒造業への社会学的接近-』文眞堂(2010)藤本昌代・河口充勇著(☆2010年度 商工総合研究所 中小企業研究奨励賞 経済部門 準賞受賞)
(3)『専門職の転職構造 -組織準拠性と移動 -』文眞堂(2005)藤本昌代著( ☆ 2006年度組織学会 高宮賞(著書部門)受賞・☆ 2006年度日本労務学会 学術賞(著書部門) 受賞)

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